相続した空き家の3,000万円控除、期限は2027年のまま?延長要望のゆくえと今できること

相続した空き家の3,000万円控除売却の基礎知識・制度

相続した空き家の3,000万円控除、”期限はまだ先”と油断していませんか?

相続した実家が空き家のままになっている方の中には、「売却すれば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度がある」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。一方で、最近「この制度が延長されるかもしれない」というニュースを見かけ、「それなら今の期限を待ってから売った方が得なのでは」と考える方もいらっしゃいます。今回は、この延長をめぐる最新の動きと、待つことに潜むリスクについて整理します。

実家の空き家、そろそろ売ろうか迷っているうちに、「控除の期限が延長されるかもしれない」というニュースを見かけました。それなら、延長を待ってから売った方がいいんでしょうか?

こだせんせい
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気になりますよね。結論からお伝えすると、延長の話はまだ「要望」の段階であり、決定した制度変更ではありません。今日はその中身と、延長を待つことに潜むリスクを一緒に整理していきましょう。

そもそも「相続空き家の3,000万円控除」とは?

この制度の正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称”相続空き家の3,000万円控除”です。相続した家屋(または取り壊し後の土地)を売却した際、一定の条件を満たせば譲渡所得(売却益)から最大3,000万円を差し引ける制度で、相続税とは別にかかる売却時の税金を大きく軽減できます。

ただし、この特例には相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するという、相続人ごとの個別の期限に加えて、制度そのものにも令和9年(2027年)12月31日までの譲渡を対象とする時限措置という、もう一つの期限が設けられています。この”二重の期限”の数え方や、建物の建築時期(昭和56年5月31日以前であることなど)といった細かな適用要件については、以前の記事「相続した実家、まだ売っていませんか?3,000万円控除が使えなくなる”3年ルール”に注意」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

期限が二重になっているなんて、知りませんでした…。うちの実家が対象になるかどうかも、改めて確認した方がよさそうですね。

こだせんせい
こだせんせい

そうですね。特に「あと何年か猶予がある」と思い込んでいる方ほど、気づいたときには期限が迫っていた、というケースが少なくありません。価格だけでも早めに把握しておくと、今後の判断がしやすくなりますよ。

ご自宅の空き家が特例の対象になりそうか不安な方は、まず価格帯だけでも確認してみるのも一つの方法です。

令和9年度税制改正要望で、何が変わろうとしているのか

国土交通省は2026年8月28日時点で、令和9年度の税制改正に向けた要望の中に、この特例に関する3つの見直し案を盛り込んでいることを公表しています。

  • 適用期限の延長:現行で令和9年(2027年)12月31日までとなっている適用期限を、令和10年(2028年)1月1日から令和13年(2031年)12月31日まで、4年間延長することを求めています。
  • 築年要件の緩和:現在は昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることが条件の一つですが、制度創設から年数が経ち、新耐震基準の建物でも老朽化が進んでいることを理由に、要件を緩和するよう求めています。ただし、緩和後に具体的に何年の建物まで対象が広がるのかは、要望の時点ではまだ示されていません。
  • 民事信託の追加:相続や遺贈と同じように扱える民事信託契約が終了した場合の不動産取得についても、新たに特例の対象に加えるよう求めています。

これらはあくまで国土交通省からの”要望”であり、この時点で決定している制度変更ではありません。実際に延長や要件緩和が行われるかどうかは、毎年12月頃にまとまる与党の税制改正大綱、そして翌年の法改正を経て、はじめて確定します。

要望が出ているなら、延長されるのはほぼ確実なのかと思っていました…。まだ決まったわけではないんですね。

こだせんせい
こだせんせい

はい。税制改正要望は、関係省庁が毎年数多く提出していますが、そのすべてが実現するわけではありません。「延長されそうだから」と当てにして売却の判断を先延ばしにするのは、少しリスクがある考え方だと言えます。

「延長を待つ」のがなぜ危険かもしれないのか

延長を求める要望が出ているからといって、今は売却を急ぐ必要がないと判断するのは早計かもしれません。理由は大きく二つあります。

1つ目は、要望が実現する保証はないということです。もし延長が見送られれば、制度は現行どおり令和9年(2027年)12月31日で終了し、それ以降の売却では特例を使えなくなります。「延長されるはず」という期待だけを根拠に待ち続けると、気づいたときには制度自体が終了していた、という事態になりかねません。

2つ目は、たとえ制度自体が延長されても、相続した方お一人おひとりには別の期限があるという点です。前述のとおり、この特例には相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するという個別のルールがあります。制度の期限が延びたとしても、ご自身の相続から数えた期限がすでに過ぎていれば、特例は使えません。この個別期限の数え方については、「相続した実家、まだ売っていませんか?3,000万円控除が使えなくなる”3年ルール”に注意」でも詳しく触れていますので、ご自身のケースにあてはめて確認しておくと安心です。

また、空き家を売却する際には、この3,000万円控除だけでなく、取得費に相続税の一部を上乗せできる「取得費加算の特例」など、他の税制上の選択肢と比較することも大切です。どちらが有利かはご家庭の状況によって異なりますので、「実家を売るなら”いつ”がいい?相続税で損しないタイミングの話」もあわせてご参照ください。

「延長されるかどうか」だけでなく、「自分の相続から数えた期限」も確認しないといけないんですね。思っていたより複雑です…。

こだせんせい
こだせんせい

そうなんです。だからこそ、ニュースの見出しだけで判断せず、ご自身の相続開始日や建物の状況を一つずつ確認しておくことが大切です。迷ったときは、無料査定を受けながら専門家に相談するのも近道ですよ。

まとめ:延長のニュースより、まず自分の期限を確認しよう

相続した空き家の3,000万円控除は、延長を求める要望が出ているものの、現時点ではあくまで令和9年(2027年)12月31日までの時限措置です。「延長されるかもしれない」という情報だけを頼りに売却を先延ばしにすると、要望が実現しなかった場合に、特例を使えないまま制度の期限を迎えてしまうおそれがあります。まずはご自身の相続開始日から数えた期限と、建物の建築時期などの要件を確認したうえで、早めに不動産会社の査定を受け、実家が今どのくらいの価格で売れそうかを把握しておくことをおすすめします。

こだせんは一戸建て専門の不動産査定サイトです。

※本記事の内容は国土交通省が公表した令和9年度税制改正要望(2026年8月28日時点の情報)を参考にしています。

延長されるかどうか分からない中で、いつ売却に動けばいいのか迷っています。うちの実家のような空き家でも、査定をお願いできますか?

こだせんせい
こだせんせい

もちろんです。無料査定で今の価格を把握しておけば、制度の期限がどうなっても落ち着いて判断できます。対象エリアは東京23区を中心に東京都・神奈川県が中心ですが、地方のご実家についてもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。