実家が「特定空家」に指定されたら?行政代執行で強制解体・費用まで請求される流れとは

実家が特定空家に指定されたら?行政代執行一戸建て査定のポイント

実家が「特定空家」に指定されたら?放置を続けるとどうなる?

相続した実家に住む予定も、すぐに売る予定もなく、とりあえずそのままにしている…という方は少なくありません。しかし、庭の草木が伸び放題になっていたり、外壁や屋根の傷みが目立ってきたりして、近隣から「あの家、大丈夫?」と思われているとしたら要注意です。空き家を放置し続けると、自治体から特定空家(とくていあきや:倒壊のおそれや衛生・景観上の問題があるなど、周辺に悪影響を及ぼすと市区町村が判断した空き家)に指定され、最終的には行政代執行(ぎょうせいだいしっこう:所有者に代わって行政が強制的に建物を解体し、その費用を所有者に請求する措置)によって、実家が強制的に解体されてしまうケースがあります。この記事では、特定空家に指定されるまでの流れと、そこから強制解体に至るリスク、そして後悔しないための選択肢について解説します。

実家、しばらく誰も住んでいなくて…このまま放っておくとまずいでしょうか?

こだせんせい
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はい、放置する期間が長くなるほどリスクは大きくなります。まずは特定空家に指定されるまでの流れから、順番に見ていきましょう。

「うちの実家、もしかして…」と気になる方は、まず今の資産価値を確認しておくと、今後の判断がしやすくなります。

そもそも「特定空家」とは?空家対策特別措置法の基本

特定空家とは、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」に基づき、①倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある、②著しく衛生上有害となるおそれがある、③適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている、④周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である、のいずれかに該当すると市区町村が判断した空き家を指します。実家がいきなり特定空家になるわけではなく、その前段階として管理不全空き家(かんりふぜんあきや:特定空家になるおそれがあり、適切な管理が行われていない空き家)に指定されるケースも増えています。管理不全空き家については、以前の記事「実家が”管理不全空き家”になるとどうなる?固定資産税が急に上がる前に確認したいこと」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

うちの実家、雑草はそこまで伸びていない気がしますが…それでも対象になりますか?

こだせんせい
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外から見た草木の状態だけでなく、建物の傾きや屋根・外壁の劣化なども判断材料になります。まずは今の状態を客観的に把握しておくと安心ですよ。

放置から強制解体まで、行政の対応は4段階で進みます

特定空家に該当する可能性がある場合でも、いきなり解体されるわけではありません。行政の対応は、大きく分けて次の4段階を経て進みます。

①助言・指導

まず市区町村から、適切な管理を行うよう求める「助言・指導」の連絡が来ます。この段階ではまだ法的な強制力はなく、所有者が自主的に改善すれば問題ありません。

②勧告 ― 固定資産税の優遇が外れる

助言・指導を受けても改善されない場合、市区町村長から「勧告」を受け、正式に特定空家として扱われます。ここで注意したいのが、固定資産税に関する住宅用地特例(じゅうたくようちとくれい:住宅が建っている土地の固定資産税の課税標準額を軽減する制度で、200㎡以下の小規模住宅用地は本来1/6に軽減される)です。勧告を受けると、この特例の対象から除外され、翌年度から固定資産税の負担が実質的に最大6倍程度に増える可能性があります。

③命令 ― 従わないと過料

勧告を受けてもなお改善が見られない場合、市区町村長は「命令」を出すことができます。この命令に違反すると、50万円以下の過料(かりょう:行政上の秩序を守るために科される金銭的な制裁で、刑事罰である「罰金」とは異なるもの)が科されます。

④行政代執行 ― 強制解体、費用は所有者へ請求

命令にも応じない場合、行政が所有者に代わって解体などの措置を行う「行政代執行」に進みます。事前の通知や弁明の機会は設けられますが、それでも対応がなければ、解体費用は所有者(相続人を含む)に請求されます。支払いが滞ると、国税徴収法や地方税法の規定に基づき、預金や不動産などの財産が差し押さえられるリスクもあります。

解体費用まで請求されるなんて…金額はどれくらいになるんですか?

こだせんせい
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建物の規模や立地によって幅がありますが、一般的な木造住宅でも数百万円、条件によっては1,000万円を超えることもあると言われています(解体費用は個別の現地調査・見積もりによって大きく変動するため、公的な統計としての確定額ではなく目安としての情報です)。しかも自分で解体業者に依頼するより割高になりやすいので、代執行に至る前に動くことが大切です。

行政代執行を待たずに、今からできること

実家を相続したものの、特に活用の予定がない場合は、特定空家に指定される前の早い段階で売却を検討することが、結果的にもっとも負担の少ない選択肢になることが多いです。空き家をそのまま放置するリスクについては、以前の記事「空き家問題を放置するとどうなる?」や「住まなくなった一戸建て、放置していませんか?」でも触れていますので、あわせてご参照ください。また、実家が複数の相続人による共有名義になっている場合は、一人だけでは対応方針を決めにくいこともあります。早めに家族間で方針をすり合わせておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。

うちは兄弟で相続したので、私一人では決められなくて…

こだせんせい
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共有名義の場合は特に、早い段階で査定だけでも取っておき、それを家族で話し合う材料にする方が多いですよ。まずは今の状態を知ることから始めてみましょう。

まとめ:特定空家に指定される前に、今の状態を知ることから

実家を放置し続けると、特定空家への指定、勧告による固定資産税の負担増、命令違反による過料、そして行政代執行による強制解体・費用請求という段階を経て、金銭的にも精神的にも大きな負担につながる可能性があります。しかし、いずれの段階であっても、所有者自身が対応すれば行政代執行に至ることは避けられます。「まだ大丈夫」と先延ばしにする前に、まずは実家の現状を把握し、売却も含めた選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事の内容は国土交通省および関連専門機関が公表している空家等対策の推進に関する特別措置法に関する情報(2026年9月時点)を参考にしています。

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