実家を”空き家バンク”に登録したのに売れない?仲介手数料の壁が低くなった今できること

空き家バンク登録した売れない?空き家・管理のリスク

「空き家バンクに登録したのに、全然見学の問い合わせが来ない」と悩んでいませんか?

相続した実家の一戸建てがなかなか売れず、「とりあえず自治体の”空き家バンク”に登録しておこう」と考える方は少なくありません。登録料は無料で、移住希望者や別荘を探している人に見てもらえるかもしれない、という期待があるからです。ところが、実際に登録してみたものの何年も問い合わせが来ない、という声も多く聞かれます。今日は、空き家バンクという仕組みの特徴と、実はあまり知られていない「仲介手数料の壁が低くなった」という最近の変化について、分かりやすく解説します。

実家を空き家バンクに登録してもう2年になるんですが、見学の連絡が一件も来なくて…。やっぱり田舎だから無理なんでしょうか。

こだせんせい
こだせんせい

場所だけが原因とは限りませんよ。空き家バンクには仕組み上の特徴があって、それを知らないまま待っているだけだと、なかなか動き出さないケースが多いんです。今日はその仕組みと、最近できた新しい選択肢を一緒に見ていきましょう。

そもそも「空き家バンク」とは?できることと限界

空き家バンクとは、都道府県や市区町村が運営する「空き家を売りたい(貸したい)人」と「移住先や別荘を探している人」を結びつけるための情報提供の仕組みです。多くの自治体で掲載は無料ですが、不動産会社のように広告を出して積極的に買い手を探してくれるわけではなく、基本的にはサイトを見た人からの問い合わせを待つという受け身の形になっています。

そのため、写真が少ない・古い、建物の状態や接道の情報が十分に書かれていない、といった掲載内容だと、せっかく興味を持った人がいても検討の土台に乗らず、問い合わせにつながりにくいという面があります。また、建物の老朽化が進んでいたり、管理が行き届かない空き家になっていたりすると、移住希望者から見ても「手を入れる負担が大きそう」と判断されやすくなります。

そうだったんですね…。待っているだけじゃダメだったんだ。じゃあ、不動産会社に仲介をお願いした方がよかったんでしょうか?

こだせんせい
こだせんせい

そう考える方も多いのですが、「空き家は価格が安いから、仲介に頼むと手数料が高く感じる」と遠ざけてしまう方も少なくありません。でも実は、その仲介手数料の壁は、2024年に低くなっているんです。

2024年7月から、低価格の空き家は仲介手数料の上限が引き上げられています

通常、不動産の仲介手数料は「売買価格×3%+6万円(税別)」が上限の目安とされますが、この計算式だと数百万円程度の空き家では、仲介会社が受け取れる手数料がごくわずかになってしまいます。そのため、空き家のような低価格物件は不動産会社から積極的に取り扱ってもらいにくい、という課題が指摘されてきました。

この課題に対応するため、2024年7月1日に宅地建物取引業法の規則が改正され、「低廉な空家等」(800万円以下の物件)を対象とした仲介手数料の特例が拡充されました。売買価格800万円以下の物件であれば、仲介手数料の上限は30万円(税別)とされ、さらにこの改正では売主だけでなく買主からも同額を受け取れるようになっています(改正前の上限は24万円(税別)でした)。

つまり、空き家バンクに登録したまま何年も待つだけでなく、この特例を使って不動産会社に仲介を依頼するという選択肢も、以前より現実的になっているということです。「田舎の古い実家だから、仲介してくれる会社はないだろう」と決めつけず、一度相談してみる価値はあります。

知らなかったです…。手数料がそんなに抑えられるなら、空き家バンクと仲介、両方使うこともできるんですか?

こだせんせい
こだせんせい

はい、どちらかに絞る必要はありません。移住者向けの情報発信は空き家バンクに任せつつ、積極的に買い手を探してもらう窓口として仲介会社にも相談する、という「併用」が現実的です。背景には、2023年時点で全国の空き家が過去最多の900万戸(空き家率13.8%)まで増えているという事情もあり、国としても空き家の流通を後押ししたいという狙いがあります。

空き家バンクと仲介、どう使い分ける?判断のポイント

どちらを優先すべきかは、実家の状況や「どれくらい早く手放したいか」によって変わってきます。大まかな目安を整理すると、次のようになります。

  • のんびり移住者・別荘需要を待てる場合:空き家バンクへの登録を続けつつ、写真や物件情報を充実させて見つけてもらいやすくする。
  • 早めに手放したい、管理の負担を減らしたい場合:仲介手数料特例を使える不動産会社に相談し、積極的な販売活動をしてもらう。
  • 老朽化が進み、空き家バンクでも仲介でも反応が薄い場合:解体して更地にする、または自治体の解体補助金が使えないか確認する。

特に注意したいのは、「そのうち売れるだろう」と判断を先延ばしにしている間に、建物の傷みが進んでしまうケースです。管理が行き届かない状態が続くと、自治体から「特定空家」に指定され、最終的に行政代執行で強制的に解体されるおそれもあります。そうなれば、解体費用まで所有者に請求されてしまい、空き家バンクでゆっくり待つつもりが、想定外の大きな出費につながってしまいます。

「そのうち誰かが見つけてくれるかも」と、ずっと空き家バンクに任せきりにしていました…。見直してみます。

こだせんせい
こだせんせい

空き家バンクが悪いわけではなく、「待つだけの窓口」として使い続けてしまうことが一番もったいないんです。まずは今の実家がどれくらいの価格で売れそうか、査定で現実的な数字を知っておくと、空き家バンクを続けるか、仲介に切り替えるかの判断もしやすくなりますよ。

まとめ:「待つだけ」から一歩進めるタイミングかもしれません

空き家バンクは無料で利用できる便利な仕組みですが、基本的には問い合わせを待つ受け身の窓口であり、それだけに頼っていると何年も動きが出ないことがあります。一方で、2024年7月の制度改正により、800万円以下の低価格な空き家であれば仲介手数料の上限が30万円(税別)に引き上げられ、不動産会社に仲介を依頼しやすくなりました。空き家バンクと仲介を併用しながら、管理の負担が重くなる前に、実家の今の価値を把握しておくことをおすすめします。

※本記事の内容は国土交通省による宅地建物取引業法関連規則の改正(2024年7月1日施行、低廉な空家等の媒介報酬に関する特例)および総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(2024年公表)を参考にしています。

こだせんは一戸建て専門の不動産査定サイトです。

空き家バンクに登録したままの、古くて田舎にある実家なんですが、こんな状態でも査定をお願いできますか?

こだせんせい
こだせんせい

もちろんです。こだせんでは無料で査定を行っており、空き家バンクに登録中の物件でもご相談いただけます。対象エリアは東京23区を中心とした東京都・神奈川県はもちろん、地方の実家についてもご相談可能ですので、まずは今の価値を一緒に確認してみましょう。