実家に「検査済証」が見当たらない…そのままで売却はできる?
相続した実家を売ろうと考えたとき、不動産会社や金融機関から「検査済証はお持ちですか?」と聞かれて、答えに詰まってしまった経験はありませんか。検査済証(けんさずみしょう:建物が完成した際に、建築基準法に基づく完了検査に合格したことを証明する書類)は、古い家や増改築を重ねた家では手元に残っていないケースが少なくありません。「この書類がないと売れないのでは」「住宅ローンが組めなくて買い手がつかないのでは」と不安になる方も多いのですが、検査済証がなくても売却をあきらめる必要はありません。この記事では、検査済証がないとどんな影響があるのか、そのうえでどう対処すれば売却につなげられるのかを、順を追って解説します。

実家の書類を整理していたら、検査済証らしきものが見当たらなくて…。こんな状態でも売却の相談はできますか?

はい、検査済証が見当たらない状態でもご相談いただけます。まずは検査済証がどんな書類で、ないとどう影響するのかを整理していきましょう。
そもそも「検査済証」とは?「確認済証」との違い
検査済証とは、建築基準法第7条に基づき、工事が完了した建物を行政(または指定確認検査機関)が現地でチェックし、設計図どおりに建築基準法を満たして建てられたことを確認できた場合に交付される書類です。よく似た言葉に確認済証(かくにんずみしょう:着工前に、この設計内容であれば建築基準法に適合していますと行政が事前に確認したことを示す書類)がありますが、確認済証は着工”前”のチェック、検査済証は完成”後”のチェックという違いがあります。確認済証だけが残っていて検査済証が見当たらない、あるいは両方とも見当たらない、という実家は珍しくありません。とくに古い時代に建てられた家や、増改築を数回にわたって行っている家では、当時の建築主や施工会社が完了検査の手続きを省略していたり、代替わりの中で書類そのものを紛失してしまっていたりすることが、主な背景として挙げられます。

うちは祖父の代に建てて、何度か増改築もしているので、書類が揃っているか正直あやしいです…。

古いご実家では、実はよくあることなんですよ。まずは今お手元にある書類を確認しつつ、次に検査済証がないと具体的に何が困るのかを見ていきましょう。
検査済証がないと何が困る?住宅ローン審査・売却への影響
買主の住宅ローン審査への影響
検査済証がない場合にまず影響が出やすいのが、買主側の住宅ローン審査です。住宅金融支援機構が扱う代表的な住宅ローン「フラット35」では、中古住宅を対象にする際に技術基準への適合を確認する物件検査を実施しており、検査済証の有無が確認のポイントのひとつになります。検査済証が見当たらない場合でも、建築士など専門家による「法適合状況調査」の報告書を代わりに提出することで、審査を進められるケースがあります。ただし、この調査には別途費用と日数がかかるため、買主にとっては負担や時間のロスにつながりやすく、結果として「検査済証がない家は避けたい」と考える買主も一定数存在します。とはいえ、検査済証がないからといって必ずしも住宅ローンが組めなくなるわけではなく、金融機関や物件の状態によって扱いはさまざまですので、まずは今の建物の状態を正確に把握しておくことが重要です。
契約・引き渡し後のトラブルリスク
また、検査済証がないということは、増改築部分などが建築基準法に適合しているかどうかを客観的に確認できる書類がない、という意味でもあります。引き渡し後に、増築した部分が建ぺい率・容積率の制限を超えていた、といった既存不適格(きぞんふてきかく:建てた当時は合法だったが、その後の法改正で今の基準には合わなくなっている状態)に近い問題が見つかると、買主とのトラブルに発展することもあります。既存不適格建築物そのものについては、以前の記事「実家が「既存不適格建築物」だったら?再建築不可との違いと売却時の注意点」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

住宅ローンが組みにくくなると、買い手がかなり限られてしまいそうですね…。

そう感じられるかもしれませんが、検査済証がなくても売却実績のある物件はたくさんあります。次は、実際にどう対処していけばよいかを見ていきましょう。
検査済証がなくても売却は可能?具体的な対処法
建築士による「法適合状況調査」を活用する
先ほど触れた法適合状況調査は、建築士が現地で建物の状況を確認し、建築基準法にどの程度適合しているかを報告書にまとめるものです。この報告書があることで、検査済証がなくても金融機関の審査を進めやすくなったり、買主の不安をやわらげたりする効果が期待できます。費用や日数は建物の規模・調査内容によって異なるため、複数の建築士事務所や検査機関に相談し、見積もりを比較しておくと安心です。調査を依頼するタイミングは、売却活動を始める前がおすすめです。契約直前になって調査結果が出るまで引き渡しが延びてしまう、といった事態を避けやすくなります。
既存住宅売買瑕疵保険・インスペクションを組み合わせる
検査済証の代替とまではいかなくても、既存住宅売買瑕疵保険への加入やインスペクション(住宅診断)を行い、建物の現況を第三者の目で確認しておくことも有効です。「検査済証はないが、現状の建物の状態は専門家がチェック済み」という情報を示せれば、買主の安心材料になり、価格交渉の材料にされにくくなる効果も期待できます。売却活動を始める前提として、まずはご実家に今どんな書類が残っているかを整理しておくことが欠かせません。以前の記事「一戸建て査定の準備は万全?必要な物とは」でも、査定前に準備しておきたい書類をまとめていますので、検査済証を探す際の参考にしてみてください。

全部自分で手配するのは大変そうですが、何から始めればいいですか?

まずは今の状態のまま無料査定をご依頼いただき、書類が足りない部分については、必要に応じて専門家と連携しながら整理していく、という進め方で十分ですよ。
まとめ:検査済証がなくても、まずは今の状態で相談を
検査済証がないと、買主の住宅ローン審査や契約後のトラブルリスクに影響が出る可能性はありますが、それだけで売却をあきらめる必要はありません。法適合状況調査やインスペクションなど、検査済証を補う手段はいくつも用意されています。実家が再建築不可(さいけんちくふか:今の建築基準法では建て替えができない土地)に該当していないかもあわせて気になる方は、以前の記事「相続した実家、実は”再建築不可”だった?建て替えできない家をどうする?」もあわせてご覧ください。検査済証の有無にかかわらず、まずは今の状態のままで構いませんので、専門家に実家の状況を伝えるところから始めてみましょう。
※本記事の内容は住宅金融支援機構(フラット35)および建築基準法・検査済証に関する専門機関等が公表している情報(2026年9月時点)を参考にしています。
こだせんは一戸建て専門の不動産査定サイトです。

実家の検査済証が見当たらなくて、正直この家がいくらで売れるのか想像もつかないのですが、それでも査定はお願いできますか?

もちろんです。検査済証がない状態でも、まずは現状のままで無料査定を承っております。対象エリアは東京23区を中心に東京都・神奈川県が中心ですが、地方のご実家についてもご相談いただけますので、書類にご不安がある方もお気軽にお問い合わせくださいね。

