擁壁のある一戸建ての査定で気をつけたいポイントと解決策

擁壁ある一戸建て査定のポイントと解決策一戸建て査定のポイント

~査定額を下げないための事前準備~

一戸建てを査定した際に、擁壁があるので金額が下がりますと言われました。
擁壁があるのは問題なのでしょうか?

こだせんせい
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「擁壁(ようへき)」は、傾斜地や高低差のある土地を支えるために設けられた構造物です。
安全性や景観を守るために欠かせない存在ですが、不動産売却や査定の場面では、思わぬ“ハードル”になることがあります。
実際に、擁壁がある一戸建ては、査定価格が低く出ることや、買主がローンを組めないケースも少なくありません。
不動産売却に携わる立場から、擁壁付き一戸建ての査定時に注意すべき問題点、査定額を守るための解決策、そして売却をスムーズに進める方法について説明します。

1. 擁壁とは?その役割と種類

こだせんせい
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擁壁とは、土砂や斜面を支えるための壁状構造物で、住宅地の造成や道路沿いなどに多く見られます。
一戸建ての場合、特に道路との高低差がある土地や傾斜地に設置されます。

主な擁壁の種類

  1. 鉄筋コンクリート擁壁(RC擁壁)
     耐久性が高く、現行の建築基準法にも適合しやすい。
  2. 重力式擁壁(コンクリートブロック・石積みなど)
     古くから使われる方式だが、旧基準のものは安全性や法適合性に注意が必要。
  3. 補強土擁壁
     比較的新しい工法で、景観や環境にも配慮されることが多い。

擁壁と一概に言うけれど、様々な種類の擁壁があるのですね。
どの点が問題になり得るのでしょうか?


2. 擁壁が査定に与える影響

擁壁がある一戸建ては、一般的に査定の際に次のような要因が考慮されます。

(1) 安全性

擁壁は崩落や土砂災害を防ぐ重要な設備です。
しかし、築年数が古く、ひび割れや排水不良がある場合は安全性が疑われるため、査定額が低下します。下記に示すような補修費用ややり替え費用を見積もる必要があります。

(2) 法適合性

  • 現行の建築基準法や宅地造成等規制法に適合していない擁壁は、評価が下がります。
  • 特に1981年(昭和56年)以前に造られた擁壁は、新耐震基準前のため要注意です。
こだせんせい
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古い建物の場合は、建築確認が取れていない擁壁が多く、建て替えをする場合には擁壁を一からやり直す必要が出てくる場合があります。その場合は高い費用がかかりますので、査定金額としては評価が下がります。

(3) 補修コスト

擁壁のやり替えや補修は、数百万円単位になることもあります。
そのため、買主は将来的な出費を想定して価格交渉をしてくる傾向があります。擁壁がある物件の場合には、無い物件と比べると数百万単位で金額が変わることもあります。

(4) ローン審査

金融機関によっては、擁壁の安全性や適法性が確認できない場合、住宅ローンの承認が下りないケースがあります。

3. 擁壁がある一戸建ての売却でよくある苦労

こだせんせい
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擁壁が査定に与える影響を見てみましたが、擁壁がある一戸建ての売却時についても苦労することが多いです。一番の原因は擁壁の状態が良く分からないことがあります。そのまま使えるのか、補修が必要なのか、やり替えないといけないのか、違法性は無いか、安全か。購入希望の人はこういった点について買う買わないの判断をしますので、売却に時間がかかることも多いです。

(1) 買主の不安感

  • 「崩れる危険はないか?」
  • 「修繕にいくらかかるのか?」
  • 「遵法性に問題はないか?」
    こうした不安が購入意欲を下げます。

(2) 査定額が下がる

リスクを見込んで、相場より低めの査定額になることがあります。擁壁のやり直しが必要な場合を想定すると数百万円規模になることが多く、その分査定額が下がってしまいます。

(3) 売却期間が長引く

購入検討者が慎重になり、条件に合う買主が限られるため、成約まで時間がかかります。金額面での調整や安全面や条件面での調整が必要になり、通常の売却に比べると時間がかかることが多いです。一般個人の購入が難しい場合には不動産業者の買取も選択肢に入ってきます。

4. 擁壁付き一戸建ての査定額を守るための解決策

擁壁のある一戸建てを売却する際に、リスクや問題点があることが分かりました。なるべく高く売却するためにはどのようにしたらよいでしょうか?

こだせんせい
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擁壁のある物件を適正に売却するためには、擁壁の現状を把握することで、買主の不安を和らげる必要があります。また、擁壁を補修したり、擁壁ならではのメリットをアピールする必要も出てきます。

(1) 擁壁の現状を把握する

売却前に、まず擁壁の状態を調べましょう。

  • 設計図面や確認済証、造成許可書などの資料を探す
  • 専門家(建築士や地盤調査会社)による安全診断を受ける
  • 問題がなければ「安全性を証明できる書類」として査定時や内見時に提示する

(2) 必要に応じて補修する

  • ひび割れ、排水不良、沈下などがあれば補修
  • 大規模改修が必要な場合は、見積書を用意し、その分を価格交渉材料にする
こだせんせい
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あらかじめ補修費用や大規模改修費用、やり直し費用の見積もりを取っておくと購入希望者の金額の目安になります。売主側が補修して引き渡すという事を条件にすることも検討します。

(3) 擁壁のメリットをアピール

  • 高台からの眺望
  • プライバシーの確保
  • 浸水リスクの低さ
    など、擁壁のポジティブな側面も説明すると印象が良くなります。
こだせんせい
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擁壁のある物件は高台にあり、日当たりや眺望が良い物件も多いです。立地を生かした訴求が可能になります。また、擁壁があることでプライバシーが確保されたり、地下駐車場や地下室がついている物件もありますので、良い印象を与えることも出来ます。

(4) 売却ターゲットを絞る

  • 資金力のある個人買主
  • 再開発や建て替えを目的とする不動産業者
    これらを狙うと、ローンのハードルや補修費用の問題をクリアしやすくなります。
こだせんせい
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擁壁の補修に多大な費用がかかる場合には、不動産業者などディペロッパーへの売却も検討して下さい。建物を解体して、土地として売却することも検討出来ます。

5. 擁壁付き物件を売るなら専門性のある不動産会社へ

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擁壁のある一戸建ては、通常の住宅売却よりも書類や行政手続き、買主への説明責任が増えます。
経験の浅い仲介業者では対応に時間がかかる場合があるため、造成や擁壁付き物件の売却実績が豊富な不動産会社を選びましょう。

擁壁は土地を守る大切な構造物ですが、査定や売却の場面では安全性や法適合性が大きなポイントになります。
事前調査や補修、メリットのアピール、そして適切な売却戦略によって、査定額の低下や売却期間の長期化を防げます。

擁壁があるからといって諦める必要はありません。
「問題点を知り、解決策を実行する」ことで、安心・安全かつ適正価格での売却が可能になります。

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