築年数の経っている一戸建ては売却が難しい?

一戸建て査定のポイント

一戸建ての売却に建物の状態(耐震性等)は影響が大きい

新耐震基準、旧耐震基準というのを聞いたことがあるけど、築年数の経っている一戸建てはやはり売却は難しいのでしょうか?

こだせんせい
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一戸建てに限らないですが、不動産の価値を評価するにあたって建物の状態は非常に大切になります。とくに地震に強い建物への需要が高まっていますので耐震性能というのは評価を分けるポイントになります。具体的には新耐震基準が施工された1981年6月1日前後での建築確認の有無が評価を分ける点で、新耐震基準、旧耐震基準の建物と判断されます。

どうして旧耐震の建物では評価が下がってしまうのでしょうか?新耐震基準の建物なら1982年の建物も2020年の建物も同等と考えてよいのでしょうか?

こだせんせい
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耐震基準というのは、大きな地震があるとより安全な家を目指して基準を改正してきました。その中で大きく改正したのが1981年になります。大改正以前は震度5程度の地震で倒壊・崩壊しないレベルでしたが、大改正以降では震度6強程度の地震で倒壊・崩壊しないレベルでの基準となっています。また基準は2000年にも改正が行われ(2000年基準、2000年6月1日以降)、とくに木造が多い一戸建ての場合は建築年が2000年前後でも評価は変わってきます。築年数だけで判断をするのなら、1981年以前、1981年~2000年、2000年以降で大きく評価は変わってきます。

1981年以前(旧耐震)の一戸建ての査定ポイント

1981年以前の一戸建ての場合は、やはり建物自体の評価が低く売却は難しいのでしょうか?

こだせんせい
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そうですね。1981年以前(旧耐震)の一戸建ての場合には、建物自体の評価はほとんどなくなってしまいます。というのも、原価法で評価すると築年数が経てばたつほど建物評価はゼロに近づいてしまいますし、既に築40年を超える建物となっていますので、一戸建てを査定する場合には、建物の評価ゼロあるいは取壊し費用で100~200万円かかりむしろマイナス評価となってしまいます。

また、旧耐震で古い一戸建てを自らの居住用で購入する需要も少なく、また購入希望者が現れた場合でもリフォームが必要になるケースが多く、リフォーム費用を見込んだ分価格は下がってしまいます。
旧耐震基準の建物の場合には住宅ローン減税など公的な補助の対象ではない点も価格に影響を与えてしまいます。

古い建物を売却するのは大変なのですね。それでは建物は解体して土地として売却した方が良いのでしょうか?

こだせんせい
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先ほどのお話は一般的に言われていることですので、実際には一戸建ての建物と土地のポテンシャルを見てみないことには判断できないことが多いです。
耐震診断をした結果、現行の基準に満たしている。耐震工事を行っている。建物の状態が良い。風情がある(古民家)。といった一戸建てはそのままでも付加価値や希少価値があり建物評価を加算して売却できる可能性があります。

こだせんせい
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他にも建物の状態が良い場合(内装状況や外観状況)には、旧耐震基準の一戸建てでも購入希望者が現れたり、賃貸を目的とした投資家の購入も想定できます。近隣や周辺の状況(そもそも中古の建物は旧耐震基準が多い、賃貸需要の多いエリア等)によっても、売却のしやすさが変わってきますので、一戸建てを査定する際には築年数だけに捉われない総合的な評価が必要になります。

1981年~2000年(新耐震基準)の一戸建ての査定ポイント

新耐震基準の一戸建ては建物には問題が無さそうですね。売却はしやすいのでしょうか?

こだせんせい
こだせんせい

この年代の一戸建ては建物の評価が難しく、実際に建物の外観や内装を見てみないことには建物の判断が出来ません。
原価法による建物の評価をした場合には、この年代の建物も22年で建物が劣化していくと仮定した場合には、建物の評価はほとんどゼロとなってしまいます。
しかし
・メンテナンスをしっかりしている建物
・メンテナンスをしていない建物(一度も外装や内装をリフォームしていない)
・建築会社(ハウスメーカー)
等によっても建物の価値が算出できる場合と算出できない(むしろマイナス評価)に分かれてしまいます。

メンテナンスの状態が悪い場合、必ずしも解体の必要がある訳ではありませんが、内外装のリフォーム費用の他、給排水、設備の交換費用がかさんでくる可能性があり、その分評価が下がってしまいます。

どのような人が購入を希望するのでしょうか?

こだせんせい
こだせんせい

一般的には新耐震基準の建物になりますので、幅広く需要があります。特に最近では新築の価格が上がり、なかなか手が出しずらくなってきていますので、中古物件の需要が増えています。新耐震基準の建物であれば、リノベーションやリフォームをして住みたいというニーズにも答えられますので、大きな問題の無い物件(傾きや雨漏り、白蟻など)については、様々な層の人がターゲットになります。
新耐震基準の一戸建てであれば、簡易的なリフォームをして賃貸に出すという事もしやすいですので、投資家にも人気があります。

2000年以降(新耐震基準、2000年基準)の一戸建ての査定ポイント

2000年以降の一戸建ての場合は、安心して査定をお願いしても良いのでしょうか

こだせんせい
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耐震性については2000年基準の一戸建てであれば、現行の基準に沿っているので問題はなさそうですが、最低限のラインという見方も出来ます。耐震性能については年々進化していますので、耐震等級1(現行の基準)、耐震等級2(1.25倍の耐震性)、耐震等級3(1.5倍の耐震性)といった具合に最近建てられた一戸建ての場合には、耐震性能で差別化している建物も多いです。耐震性能の良い建物が好まれている傾向がありますので、耐震性能が分かる書類など建築時の書類の有無が評価を分けることもあります。
また、原価法による評価においても築年数が浅い方が建物評価は高くなりますので、2020年の建物と2001年の建物とでは評価はだいぶ異なってしまいます。

建物の内装や外装についてはそもそも新しいのであまり評価に影響はありませんか?

こだせんせい
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建物の外装や内装についても、一戸建ての評価が分かれるポイントになります。
築20年位の一戸建ての場合、大規模な修繕工事(屋上防水や塗装、サイディング交換、内装設備建具の交換など)をしていないことが多く、建物の日々のメンテナンスの状況が状態を左右します。有名なハウスメーカーの建物の場合には、建築会社によって定期的なメンテナンスが入り、都度修繕や改善をしていることが多いですが、そういった定期的なメンテナンスが無い場合には、所有者の方でメンテナンスをしないといけません。メンテナンスの良し悪しで査定の評価が変わる場合がありますので、今からでも不具合のチェックやメンテナンスをしておいた方が良いです。

建物の耐震性はますます重要になってきます。そしてこれからは、

こだせんせい
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一戸建ての耐震性能についてはこれからますます重要になってきます。築年数が新しい方が当然良いのですが、築年数の経った一戸建てが売却出来ないという事ではありません。築年数に応じた一戸建ての良さや購入ニーズの多様化もありますので、その建物に合った売却活動をすることが大事になってきます。また、一戸建ての場合には土地の評価がありますので、土地目線での売却が出来る点もメリットです。リノベーション費用が想定よりも高くなってしまったり、傾きや白蟻などの問題がある場合には、解体して土地としての売却も検討してみましょう。ここでは割愛しますが、相続した建物を除却して売却した場合には相続空き家の3000万円控除の特例等、税制面での優遇もあります。

築年数に応じた一戸建ての評価と売却活動の方法、購入ニーズ等によっていろいろと考えないといけないですね。築年数に関して他には注意する点はありますか?

こだせんせい
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これまで耐震性能については、様々な基準を設けてより安全な建物の耐震性能を高めた一戸建てを建築するようになってきました。これからは、築年数が直接影響しているわけではありませんが、建物の「省エネ・再生エネ」という基準が建物において重きを置かれるようになります。一戸建ての査定においても省エネ住宅、再生エネ住宅というのは評価が高まってきていますし、耐震基準同様に省エネ住宅の基準に満たした建物であるか否かが今後評価の分かれめになるポイントです。

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