一戸建ての査定は難しい?土地の評価とは?

一戸建ての査定は難しい?土地の評価とは?一戸建て査定のポイント

一戸建ての土地を査定するポイントは評価項目が多い

どうして一戸建ての査定は難しいのですか?

こだせんせい
こだせんせい

一戸建てを査定する場合には、一度土地と建物を分けて評価する必要があります。分譲マンションのように同じ建物の過去の取引事例を用いて評価するのが出来ない為、各項目を丁寧に調査する必要があります。

一戸建ての場合、周辺の物件も一戸建てや土地の場合が多く、境界がどこにあるのか?前面道路や道路との位置関係は?など価格に影響を与えるポイントが多くあります。

一戸建ての土地の評価について教えてください。

一戸建ての土地についての評価項目

  • 最寄り駅や駅徒歩
  • 地目
  • 都市計画(市街化区域、市街化調整区域)
  • 用途地域(第一種低層住居、近隣商業地域等)
  • 防火・準防火地域
  • 建蔽率・容積率
  • 土地の面積、境界
  • 近隣の状況(店舗への距離、公共施設の利便性、街並み、利用状況)
  • 環境(騒音や振動、日照や採光、眺望や景観)
  • 供給処理施設(排水:公共下水・浄化槽・他、ガス:都市ガス・プロパン)
  • 街路(道路面に対しての方位、角地)
  • 道路幅員(4m未満、4m以上等)
  • 道路の状況(舗装済、未舗装)
  • 周辺街路の整備や配置(計画的で整然、無秩序、狭い・行き止まり)
  • 道路の種類(公道、私道、建築基準法上の道路の種類)
  • 間口の長さと形状(2m未満、2m以上、整然としているか)
  • 路地上敷地(旗竿地)(路地上部分の奥行や面積)
  • 崖地や法地(含まれているのか、利用可能か、方位、面積)
  • 都市計画道路の予定(影響の有無)
  • 高圧線下地(該当するか否か、下地部分の面積、減価率)
  • 前面道路との高低差

一戸建ての土地の評価項目が多くて良く分かりません。
一つ一つの項目を評価して査定金額を出すのですか?

こだせんせい
こだせんせい

上記の項目は不動産を調査するときの項目で一戸建ての土地の価格に影響を与えます。一つ一つ評価して加点減点といった具合に決めていきます。

土地の価格の基本となる部分については、取引事例比較法により近隣同種の土地の成約価格を基に計算していきます。

ただ、上記に上げた土地の評価項目の他にも、下記のような箇所も土地の価格を査定するうえで重要になります。

特に注意が必要な土地の評価項目

  • 土地の境界(境界標の有無、確定測量図の有無、近隣との関係)
  • 越境物の有無(屋根や塀、木等)
  • 再建築可能かどうか(接道状況、間口)
  • 借地あるいは一部借地
  • 前面道路幅による容積率の制限
  • 建築物の高さ制限
  • 既存建物が違法建築や既存不適格か否か
  • 既存建物を解体のしやすさ(金額面、道路面)
  • 土地埋設物の有無(ガラ、埋蔵文化財包蔵地等)
  • インフラ設備の越境状況
こだせんせい
こだせんせい

上記の項目は土地価格の査定に大きな影響を与えます。

例えば、再建築が出来ない一戸建ての場合には、土地としての評価は大幅に下がってしまいます。既存の建物をリフォームして利用が出来るのか。近隣の土地を一部取得できるのか。など選択肢が狭まってしまいますので需要にも影響を与えます。

越境物やインフラの越境状況も是正が出来る/出来ない、覚書の取得が出来る/出来ない等そこから先に進めるか進めないかでも評価は変わってしまいます。

「周辺の土地がいくら位だったから、ウチの土地もこの金額位かな」という事には単純にはいかなそうですね。一戸建ての査定に慣れている人でないと難しいですね。

取引事例比較法とは

先ほどから話に出ている取引事例比較法とは何ですか?

こだせんせい
こだせんせい

取引事例比較法は、不動産の査定方法のひとつで、似た不動産の過去の成約データを基に査定したい不動産の成約価格を推定する方法です。

一戸建ての場合では、主に土地を査定する際に使用します。

例えば、下記のような土地の成約事例があった場合、単純化して査定をしてみると、

成約年月日成約物件成約価格成約単価(坪)
2018年1月世田谷区北沢1丁目土地7,000万円350万円
2019年1月世田谷区北沢1丁目土地6,000万円370万円
2021年1月世田谷区北沢1丁目土地12,000万円360万円
2022年1月世田谷区北沢1丁目土地8,000万円400万円
こだせんせい
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世田谷区北沢1丁目にある30坪の土地を査定したい場合には、
坪単価の平均(370万円)×30坪=11,100万円

というような計算をして査定価格を算出します。

実際には土地の上昇や下落を加味しますので、土地の上昇率を1年間に5%とすると、

成約年月日成約物件成約価格成約単価(坪)上昇率を加味した単価
2018年1月世田谷区北沢1丁目土地7,000万円350万円425万円
2019年1月世田谷区北沢1丁目土地6,000万円370万円428万円
2021年1月世田谷区北沢1丁目土地12,000万円360万円378万円
2022年1月世田谷区北沢1丁目土地8,000万円400万円400万円
こだせんせい
こだせんせい

坪単価の平均(407万円)×30坪=12,210万円

というように補正して計算をします。

取引事例比較法の仕組みがなんとなく分かりました。
実際の現場では他にどのような点を注意しますか?

こだせんせい
こだせんせい

上記の例では単純に計算をしていますが、実際の現場では同じ用途地域で近隣にある土地の場合でも、土地の形や間口、道路幅、崖地、法地、有効宅地、セットバックなど最初に挙げた評価項目の内容をふまえて補正して算出します。一戸建ての土地部分の査定の場合にも現地の不動産を見てみないと分からない点が出てきますので、机上だけで算出する場合と現地を見て算出する場合では査定の金額が大きく異なる場合もあります。

実際に現地の一戸建てを見てもらう事。知識のある一戸建ての専門家に見てもらう事。
その二つが大事になるということですね。

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こだせんせい
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