一戸建て査定の基本：一戸建ての売却方法

一戸建ての売却方法には、媒介（仲介）と買取の2種類があります。売主様の目的に合った方法で売却活動を行いますので、ヒアリングを行いどういった方法が良いのかを検討します。

まずは売却方法について説明します。

媒介（仲介）とは、不動産会社に売却を依頼して、買主を探してもらう事をさします。一般的な不動産の売却方法はこの媒介（仲介）の方法になります。媒介には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類がありますが、どの媒介契約にするのかを決めるのは売主様になります。

一般媒介の場合は、業者同士で競争力が生まれますので、高い価格で早く売却が出来そうですが、必ずしもそうなる訳ではありません。価格によっては買主に見向きもされずそのまま放置されてしまうケースもあります。売却活動について売主様からのアプローチが重要になります。

専任媒介の場合は、売却しないといけない責任感がありますので、売主様と二人三脚で売却活動を行います。その為、需要の変化や価格など敏感に感じとり柔軟な売却活動が可能になります。
ただし、一般媒介でも親身に対応してくれる不動産業者は多いですし、専任媒介で期限のギリギリまで何もやらない不動産業者もいますので、結局の所媒介を依頼する不動産業者が信頼できるかどうかにかかっていると思います。

買取とは不動産業者に一戸建てを購入してもらう事をさします。媒介の場合は概ね3ヶ月以内に売却が可能な金額（査定価格）で売却活動を行いますので、相場に近い価格での売却を目指します。買取の場合は不動産をすぐに現金化することを目的としますので、早ければ数日～1週間の期間で売却が可能になります。ただし買取の場合は、調査期間が短く契約不適合背金免責などの条件を入れる事がほとんどですので相場の金額よりも安い金額になります。

媒介の場合は、売却後に土地や建物に不具合があった場合に売主の責任が発生することがありますが、買取の場合は不動産業者が買取りますので設備の不具合などがあった場合も不問（契約不適合責任免責）にするという特約をつけることが多いので、売却をした後の手離れが良くなります。煩わしい調査などが軽減するといった面はメリットかと思います。
ただしハウスメーカー等、一戸建てを壊して再建築をすることが目的の買取の場合は、確定測量や承諾書の取得など時間がかかること（あるいは不調の場合は白紙撤回）がありますので、スピードが遅くなるケースもあります。

買取の場合は主に一社のみで行いますが、複数の業者に買取を依頼して高い金額を出してくれた業者に買取を依頼するという方法（買取コンペ）もあります。媒介と買取の良い所を取った方法ですが、
１．短期間で不動産を現金化したい　
２．複数に打診してより高値で売却したい　
というニーズに応えるものになります。
媒介の時の金額よりかは価格は下がってしまいますが、一社のみに買取を依頼する場合よりも高値で売却できる可能性があります。買取業者の中には得意な分野と不得意な分野がありますので、一戸建ての状況に応じて買取を依頼する業者を選別するのはメリットがあります。売却にかかる期間は単独の買取に比べると遅くなりますが、1週間～1ヶ月程度になります。

基本的には売主様の状況（経済的な側面、時間的な側面、環境的な側面）に応じて媒介なのか買取なのかを判断するのが良いです。通常の売却であれば媒介の方法が良いと思いますが、

例えば、相続した一戸建てを売却して、相続税の支払いに充てる／相続人で金銭を分ける。といった場合には期限までに売却を完了して現金を手元に残さないといけませんので、売却できるかどうか分からない不確定要素がある媒介よりも買取の方が良いかもしれません。

また、再建築不可や借地権、トラブル有のような難易度の高い不動産（一般の買主には扱いが難しい不動産）の場合は、時間をかけてもなかなか買主が見つからないケースがあります。その場合は不動産業者に買取コンペをさせるのも一つの方法です。

不動産のオークションや入札という方法もありますが、まだまだメジャーではない取引方法になります。オークションというと個人対個人の側面が大きく、参加者の知識の差が顕著になる為、高額な取引となる不動産には不向きな部分もあると思います。競売や公売の場合は買い側になりますが、オークションの場合は売り側になりますので、より（セミ）プロ向けといった印象です。