一戸建ての査定時には売却の他に賃貸の選択肢も考える
一戸建ての査定をお願いしたいのですが、まだ売却するか決めかねています。一戸建てを賃貸物件として募集することも可能でしょうか?
一戸建ての査定の際は、みなさん売却をメインに考えていると思います。ただ、一戸建ての有効な活用を考えた場合には賃貸するという選択肢もあります。最終的に売却することになったとしても、賃貸に出した場合のシミュレーションをしてみるのは大切です。売却の査定に加えて、賃料査定をしてみるのもおすすめです。
賃貸に出すための準備
賃料査定をする場合にはどのようにしたらよいでしょうか?
賃料査定の際も売却査定の時と基本的には変わりません。周辺の一戸建てやアパート、マンションの相場と照らし合わせておおよその賃料帯を把握することは出来ますが、一戸建ての場合は個別性が高い為に机上だけで賃料を査定することは難しいです。建物の設備や劣化・リフォーム具合を調査することはもちろんですが、周辺環境や施設・日当たり・庭や駐車場の有無等様々な角度から査定します。主に賃料を影響を与えるものとしては下記項目があります。
一戸建ての賃料に影響を与える項目
- 周辺の一戸建てやマンションの賃料相場
- 広さ(主に建物の広さ)
- 駐車場の有無
- 築年数や建物のグレード
- 間取り
- 駅からの距離
- 設備の劣化具合やリフォームの有無
一戸建ての賃料を査定する場合は、周辺の賃料相場を参考にしながら広さや設備、築年数などを考慮して査定します。売却査定の際は土地の広さがとても重要でしたが、賃貸の場合は土地の広さよりも建物の広さの方が賃料に与える影響は大きいです(広い土地にある小さな建物は、小さな建物の賃料に引っ張られます)。また、賃貸ニーズの高い間取りや設備がある一戸建ての方が入居者が決まりやすい傾向にあります。
注文住宅のようにオーダーメイドで建築した一戸建ては賃貸需要が少ないという事でしょうか?
注文住宅の場合は設備や間取りにオーナー様の拘りがあり良い設備を使う事が多い為、賃料自体を高く設定することが出来ます。ただし拘りが強い反面、万人受けする仕様じゃない場合はなかなか決まりづらいといった側面があります。賃貸で入居者が決まるには需要と供給が一致することが必要ですので、状況によっては賃料を相場の金額に近づけていくようにします。
別の解釈をすると、賃貸の場合は一人でも興味のある入居者が見つかれば良いとも考えられますので、拘りの詰まった一戸建ての場合には、その良さが分かる人をピンポイントで探すということも出来ます。時間がかかることもありますが、その場合は希望の賃料で借りてもらえるケースもあります。
賃貸に出す場合の必要な書類
賃貸で募集をお願いする場合に必要な書類などはありますか?
建築時や購入時の書類が手元にあった方がスムーズに募集が出来ますが、不動産会社の担当が現地を調査して間取り図等を作りますので、予め用意して頂く書類はありません。調査の最中に追加で「こういった書類はありませんか?」となった際に準備して頂ければ大丈夫です。もし募集時にプラスになるような材料(省エネ等級や耐震等級、リフォーム履歴など)がある場合には入居者募集にも良い影響がありますので、準備をして頂けたらと思います。
募集条件を考える
募集条件をペット可等にした場合には、賃料を高く設定できるのでしょうか?
一戸建てのハード面(建物や土地)については上記のような項目で準備をしてきました。続いてはソフト面(募集条件)についてです。
入居者を募集するにあたって、ソフト面も需要や賃料面に影響を与えます。具体的には主に下記項目の条件について考えてみましょう
- ペット可能か
- 外国籍可能か
- 事務所やSOHO可能か
- 定期借家か普通借家か
- 高齢者可能か
- 単身可能か
- ルームシェア可能か
- シェアハウス可能か
- 転貸、民泊など可能か
- 事業用の店舗が可能か
- 建て替えなどの短期入居が可能か
- 喫煙可能か
ソフト面の条件では物件の決まりやすさや管理のしやすさ、入居期間の長期化等について考えて条件を決めていきます。
一戸建ての場合は、マンションやアパートと違って単独でペット可にしたりしなかったりが出来ますので、柔軟な条件変更が可能です。
例えば、周辺にマンションやアパートの割合が多めのエリアでしたら、一戸建てというだけでも競争力が出てきます。ペット可の物件が少ない場合では、ペット可にすると賃貸がつきやすかったりしますので相場よりも少し高めで募集をしてみても良いと思います。
反対に一戸建ての割合が多いエリアですと駐車場や建物の広さ、築年数といったハード面の競争力が高めになりますので、ソフト面の条件を広げてみる(事務所やルームシェアもOKにする等)のも検討してみるポイントです。
一戸建てを賃貸中の場合にも不動産の売却は可能なのでしょうか?
賃貸中の状況でも一戸建ての売却は可能です。その場合は投資用の不動産として投資家などが主にターゲットとなります。ただし、収益物件として利回り(賃料と価格のバランス)で評価されますので、収益物件として販売した方が高値になる場合があれば、空室として販売した方が高値になる場合があります。どちらの方がメリットがあるのかを考えなければなりません。
また、将来的に空室(あるいは土地)として売却したい場合、自己使用を考えている場合には定期借家契約で賃借人と契約する方法があります。その場合は、賃料面では普通借家契約に比べると下がってしまいますが、契約期間満了によって賃貸契約が終了になりますのでその後の選択肢が増えます。
賃貸募集をするには
それでは賃貸で募集するにはどうしたら良いでしょうか?
賃貸に出すための準備を整えたら、次は実際に一戸建てを賃貸募集にかけます。周辺の相場や一戸建ての賃料面が分かりましたので、不動産会社に依頼して入居希望者を探してもらいます。店頭での紹介の他、一戸建て周辺の不動産会社に募集広告の案内を出したり、インターネット上に広告を出して入居募集を行います。最近は物件の情報や写真がインターネット上に飽和していますので、VR動画のような疑似内見が出来るようなツールがあるとより効果的です。実際に中を見てみたい入居希望者が出てきた際は不動産会社の担当が同行してお部屋をご案内する流れになります。
その後は、
入居申し込み → 入居者の審査 → 条件面などのすり合わせ → 審査OK → ご契約 → 入居(賃料発生) と進んでいきます。
募集にかかる費用は発生するのでしょうか?
特別な広告依頼がある場合はその費用が必要なるケースもありますが、一般的には入居者が決まった(契約した)タイミングで、不動産会社に手数料などの報酬の支払いが必要になります。また、今回の募集でハウスクリーニングやリフォームをした場合には、その費用も必要になります。入居者が入れ替わるタイミングでは、実務的にはハウスクリーニング費用を入居者負担とする特約を付けることが多いので入居者負担に出来ますが、その他設備や経年劣化といった部分については貸主の負担になります。※ここでは詳しくは説明しませんが、住宅紛争防止条例(ガイドライン)に則った形での負担割合となります。
賃貸募集のシミュレーション
賃貸で運営をした場合のざっくりとした金銭の流れはどうなりますか。
売却をした場合と賃貸に出した場合のシミュレーションについては、詳しくは次回に説明します。ここでは下記の簡易的な収益モデルを考えてみますと、
- 家賃10万円で貸すことが出来る
- 募集時のリフォーム/ハウスクリーニング費用で100万円必要
- 募集から契約開始まで3ヶ月必要
- 3年毎に入居者が入れ替わる
- 入居者の入れ替わりの際に募集費用/補修費用等20万円が必要
この条件で考えた場合には、およそ1年後から収益がプラスになります。税金やその他運営費用等は全く加味していませんので簡易的になりますが、賃貸として運営した場合にはすぐに利益がプラスになるのではなく、収益化するのに時間がかかる(この場合では1年以上)という事を示しています。
初期費用(リフォーム費用等)をどれくらいの期間で回収できるのかを考えて賃貸する場合の参考にしてみて下さい。
売却の際の査定価格と併せて、賃料査定の金額、利益が出るタイミングを考える必要がありますね。
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